メモリ&ストレージ部品の広範囲な供給逼迫:2025年末の現状とその波及
- 藤田製作所

- 2025年12月7日
- 読了時間: 4分
近年、PCをはじめとする電子機器の根幹を支える「メモリ(DRAM)」「ストレージ用チップ(NAND/SSD)」の供給体制に、かつてない危機が訪れています。
2025年末現在、AI/データセンター用途の急増を背景に、これら部品の逼迫が“広範囲かつ深刻”な段階に突入しました。
本記事では、最新の事実データをもとに「何が起きているのか」「なぜ起きているのか」「PCメーカー/個人ユーザーにとって何が意味するのか」を整理します。
🔎 何が起きているのか:供給逼迫の実態
・DRAM 価格および供給の逼迫
2025年第4四半期も、従来型DRAM(PC/サーバ用)の価格は前四半期比で 8〜13%の上昇、高帯域幅メモリ(HBMなど)を含めると 13〜18%の上昇見込み と報告されています。
世界的にDRAM在庫水準が低下しており、2025年第3四半期末時点で DRAM 在庫は「約3.3週間分」とされ、2018年以来の低水準。
これらは単なる“値上げ”ではなく、「供給余力の縮小」「需要の急増」による構造的な逼迫を示すものです。
・NAND/SSD 用チップの供給ひっ迫と価格高騰
ストレージ用のNANDフラッシュメモリも逼迫が顕著で、2025年11月の契約価格はウェハ段階で前月比20〜60%超の上昇。すべてのNANDウェハ供給がひっ迫しており、SSD用チップを含むストレージ全般で深刻な供給不足と価格上昇が観測されています。
ある大手SSDコントローラーメーカーによれば、2026年のNANDを使ったSSDの生産分はすでに完売済みで、新規出荷分の余地はないとのこと。これにより、少なくとも 2026年を通じて供給緊張が続く見込みです。
✅ 供給逼迫の背景 ― なぜ今、ここまでひどいのか?
この異常事態の背景には、いくつかの構造的な変化があります。
主因は、AI/クラウド/データセンター用途向けのメモリ&ストレージ需要の爆増。大規模言語モデル(LLM)やAIインフラに必要なDRAM、NAND、そして高帯域・高速ストレージの需要が急激に伸びています。
主要サプライヤーが、これまでコンシューマー向けや汎用向けメモリ・NANDに割いていた生産ラインを、DRAM/HBM やエンタープライズ用途向けに振り向けている。これにより、従来のPC/一般用途向けメモリ・NANDの供給力が減少しています。
加えて、2024〜2025年にかけてメモリ市場全体のビット需要が急増。メーカー各社は設備投資も進めているものの、需要の伸びに供給が追いついていないのが現状です。
📈 どうなるか ― PC市場、ユーザー、企業への波及
このような「メモリ&ストレージ全面の逼迫」は、さまざまなかたちで広がりつつあります。
PCや自作PC向けの構成コストが上昇 — メモリ増設、SSD搭載など当たり前だった選択肢が、価格的に重くなります。
BTOパソコン/ノートPC/ワークステーションの値上げ/納期不安 — 部品コストの上昇や調達の難航によって、製品価格・納期ともに不透明感。
ストレージを多用する用途(動画編集、データ処理、バックアップなど)のコスト増大 — 特に大容量SSDや高速ストレージを必要とする業務用途で影響が大きい。
企業や法人のIT機器更新、設備投資にも影響 — サーバ/ワークステーションの構成見直しや、コスト・納期の再検討が必要。
🛠️ ユーザー/企業として今、できること
このような状況を受けて、PCユーザーや法人としては以下のような行動を検討するのが現実的です:
必要なメモリ容量、ストレージ容量を見直し — 過剰スペックを控え、本当に必要な構成を見定める。
「今買える/確保できるうちに購入」 — もし増設や買い替えの必要があるなら、価格高騰前または極端な供給逼迫前に手を打つ。
代替ストレージ(HDD + SSD ハイブリッド構成など)や、用途に応じた構成の再検討。
長期的な視点で設備更新・PC導入を設計 — 供給不安定期間を想定した予備在庫確保や、段階的な投資。
🏭 藤田製作所として考えること
当社としては、
単なる「最新スペック追求」ではなく、コスト対効果、供給安定性、将来性を見据えた構成提案を強化することが重要だと考えます。
特に法人・業務用途では、「必要十分な構成 + 将来の拡張性」を両立する設計が求められています。
また、供給が安定するまでの間は、「構成の妥協点」「増設の優先順位」をお客様と一緒に考える提案を増やすべきです。
✳️ まとめ ― 今こそ“見直し”のタイミング
2025年末現在。メモリとストレージにおける供給逼迫は、もはや「一時の混乱」ではなく、「構造的な変化」の入り口にあります。
PCやIT機器の購入・増設・更新を検討している方は、焦って安易にスペックに走るのではなく、「本当に必要な容量・性能」「価格」「将来の拡張性」「供給の安定性」を冷静に見極めることが求められます。
藤田製作所では、こうした状況を踏まえたベストな構成提案を、今後も発信していきたいと思います。



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