メモリ市場の不足と価格高騰｜なぜ今メモリが高くなっているのか？

2025年に入り、PCパーツ市場で大きな変化が起きています。

とくにメモリ（DRAM）の価格上昇と品薄は、多くのユーザーや企業に影響を与え始めています。

さらに大きな話題となったのが、Crucial（クルーシャル）が一般消費者向けメモリ販売を段階的に停止するというニュースです。

本記事では、現在起きている「メモリ不足」と「価格高騰」の背景、そして今後の市場動向についてわかりやすく解説します。

なぜメモリは不足しているのか？

今回のメモリ不足には、いくつかの要因が重なっています。

最大の理由は、需要の急増です。

特に以下の分野でメモリ需要が爆発的に増えています。

・AIサーバー向けの大容量メモリ

・データセンター投資の拡大

・ゲーミングPCや高性能ノートPCの需要増加

・企業向け業務システムのクラウド化

これにより、従来コンシューマー向けに出荷されていたメモリの多くが、サーバー・法人用途に優先して割り当てられるようになりました。

価格はどれくらい上がっている？

国内外の市場では、DDR4・DDR5ともに明確な値上がり傾向が見られます。

• DDR4メモリ：数か月で20〜40％の上昇

• DDR5メモリ：高負荷モデルは50％近い高騰

特に32GB以上のモジュールは流通量が少なく、在庫切れが頻発しています。

これにより、BTOパソコンや自作PCの価格にも影響が出始めています。

Crucialの一般向け販売停止が意味するもの

Crucialは、世界的にも信頼性の高いメモリメーカーとして知られています。

同ブランドが「一般消費者向けメモリ販売の縮小・停止」を進めている背景には、以下の事情があります。

・データセンター向けメモリ事業への集中・法人契約の利益率が高い・安定供給を重視した事業構造への転換

これは単なる一企業の方針転換ではなく、メモリ業界全体がコンシューマー市場から法人市場へと重心を移していることを示しています。

つまり、今後は「安くて高品質なメモリを個人が簡単に買える時代」が終わりに近づいていると言えます。

今後のメモリ市場はどうなる？

現時点での見通しとしては、以下の傾向が強いと考えられています。

・2025年後半〜2026年にかけて高値圏が続く可能性・DDR4は徐々に生産縮小、DDR5への移行が加速・大容量メモリの価格は当面下がりにくい

特にDDR4は「枯渇ビジネス」化しつつあり、今後は“欲しいときに買えない”状態が増えると予想されます。

パソコン購入・増設を考えている方へ

もし以下に当てはまるなら、早めの購入判断が有利になる可能性が高いです。

・メモリ増設を検討している・業務用PCの更新を予定している・自作PCを考えている

価格がさらに上がる前に、在庫が安定しているうちに確保するのがリスク回避になります。

藤田製作所としての視点

藤田製作所では、PC関連パーツや周辺市場の動向にも注目しながら、「今、何を選ぶのが最適か」という実務目線の情報発信を行っています。

単なるスペック比較ではなく、コスト・寿命・安定性の観点から、本当に意味のある構成を提案することを理念としています。

まとめ

現在のメモリ市場は

・需給バランスの崩れ

・法人向け優先の流通構造

・主要メーカーの戦略転換

これらが重なり、過去にないレベルの変化が起きています。

「そのうち安くなるだろう」と様子見している間に、さらに価格が跳ね上がる可能性も十分にあります。

最新情報は今後も藤田製作所ブログで発信していきます。